こんにちは、イワシロです。
ふだんはファミコン風の音楽素材を
作曲して、配信したりしている
者です
今回は
ラウドネスのことについて調べていたんだけど
ラウドネスってところでなに?ってなったんだよね
※ラウドネスについて調べようと思った経緯は、いつも私は音楽素材を作曲してmp3、oggファイルにして
サイトに格納するときはざっくりとしたミックス、マスタリングで
極力作業を減らしているので楽チンでいいのですが
あくまでイワシロ自身の耳で聴いた”自分でいいと思う音量感”で作っているので
はたして、この業界や、プロの業界といった観点でみれば
それってどうなの?と少し疑問に思ったことがはじまり
ですのでくわしいことはわかんないということで、今後のためにもラウドネスについてがっつりと調べたことを
メモ的にここに記しておきます
ラウドネスって何?
ラウドネスっていうのは
モンスターの名前じゃないよ?
ラウドネスっていうのは
「人間の耳で聞いたときの音量感」のこと
人間の耳って
たとえば歌謡曲をヘッドホンやイヤホンで聴いていたとして音量を下げていくと
ベースの低音域や、ドラムのハイハットの高音域が
聴き取りづらくなる性質があるらしいんだよね
それでも、ボーカルの中音域だけは残ってかろうじて聞き取れますって感じになる
人間の耳ってのは音楽の音量が小さいときは
低音域と高音域が中音域にくらべて小さく聞こえて
音量が大きいときには、低音域と高音域が大きく聞こえるという性質があるらしい
こうした音量感のことをラウドネスっていうらしいよ
むずかしいね
要は周波数帯域によって人間が感じる音量感はちがうってこと
だから実際に音を数値化(ピークメーターによる)して鳴っているほんとうの音量と
人間の耳に聞こえてくる音量の感じ方(ラウドネス)は、ちがってくるみたいね
テレビ放送のラウドネス基準化について
で、そんなラウドネスさんですが
テレビ放送業界ではもう基準化されたんだよね
昔のアナログ放送時代は
素材の音量に規定が無かったらしいよ
で、送出時にコンプやリミッターがかかって
その音素材に
ある程度音量が均一に緩和されていたらしい
でもデジタル放送になると
素材の音量はそのまま送出されてしまうから
番組やCMごとに音量がバラバラになっちゃうのよ
これでは、テレビを試聴している人が音でびっくりしたり
リモコンで音量を手動で上げたり下げたり操作をしなくてはいけなくなるので
これではわずらわしい!だめだ!ってことになりかねないので
一定の基準を設けてみんなが聞き取りやすいとか不快にならないように
テレビから聞こえてくる音を
ある程度一定の音量にしようっていう
基準を設けたんだ
放送業界ではきびしくラウドネス値を監視していて
規定の音量を超えたような音素材は放送しません
日本の放送基準のラウドネス値は-24LKFSで
YouTubeより、音が小さいよ
だからFireTVスティックなどでテレビでYouTubeを試聴する場合は
地上波デジタル放送のラウドネスと
YouTubeをテレビで観たときのラウドネスの基準がちがうので
音量差があるよ
楽天モバイルのCMの苦情の件
で、調べてて思ったのが
結構前に楽天モバイルのCMって
うるさいで有名になって苦情が来てたよね、おぼえてる?
そこのところラウドネス的にどうだったのかな?って
思って気になったんだよね
いまは、改変されたCMが流れてて
ちょっと音圧が下がったように聴こえますね?どうかな?(まだうるさい)
楽天モバイル「シュンッ・・・」って感じで(笑)
いっそのことささやき声で「楽天モバイル」って言えば
耳に残りそうなのにね?
これはイワシロの提案です(笑)
楽天さんはドーン!とインパクト重視にした結果
みんなからうるせー!と苦情がきたわけですね
米倉涼子さんもインパクト大だしね
ここで言いたいのがラウドネス目線的に
全体の音量感は問題なかったようですが
最初に言ったように人の耳は周波数によって「感じる」音圧レベルがちがうという
性質があるってこと
だから、あの時の「ラクテン!モバァアアアアイル!」「にほんのスマホ代はタカスギル!」の声が
人が周波数的にうるさいと感じる周波数だったってことです
たとえば赤ちゃんってオギャーって泣くよね?
で、赤ちゃんの声ってよく響くでしょ?
赤ちゃんは意思表示を示すために泣いて
お母さんを呼ぶんだけど
赤ちゃんの声の音量はそんなに大きいわけじゃないけど
よく聴こえますよね
音量的には電車の車内の雑音とほぼ同じ
ですが、人間がもっとも反応しやすい周波数帯域であるからよく聴こえるんです
楽天モバイルのCMは赤ちゃんと同じくらいの周波数帯域だったらしいよ
オギャー
だからこのCMが流れたときはテレビ放送は
すでにラウドネス基準が統一されていたにもかかわらず
周波数帯域で人がうるさいと感じる領域に触れてしまいました
それで、うるさいって苦情がきたんだよね
楽天さんは、すごいな
狙ってやっていたのか?
イワシロさんは思うにほかにも
原因があると思います
CM冒頭にびっくりさせるかのごとく
あの「ラクテン!モバァアアアアイル!」が
叫ぶのがよくなかったのかなぁと思います
CMとCMの間って
前のCMがフェードアウトか減退した音の後だから
あのCMの冒頭の声がうるさいと感じざるを得ないというのも
あるんじゃないかなとも思ったよ
ちなみにイワシロもびっくりしたよ
各配信サービスのラウドネス基準
動画配信サイト、音楽配信サービス
ラウドネスは、ラウドネスメーターで測れるよ
全体の音量の平均値をだしてくれるんだ
(integrated)という項目をみる!
配信サービス | ラウドネス値 | トゥルーピーク |
YouTube | -13~-15LUFS(推奨 -13LUFS) | -1dBTP |
Spotify | -13~-15LUFS(推奨 -14LUFS) | -1dBTP |
Spotify Loud | -11LUFS | -2dBTP |
Apple Music | -16(±1)LUFS | -1dBTP |
Amazon Music Unlimited | -14LUFS | -2dBTP |
TIDAL | -14LUFS | -1dBTP |
Deezer | -15LUFS | -1dBTP |
-14LUFS | -1dBTP | |
ニコニコ動画 | -15LUFS | 無し |
Soundcloud | -8~-13LUFS | -1dBTP |
Apple Podcast | -16(±1)LUFS | -1dBTP |
だいたいの配信サービスでは-13~-15くらいのラウドネス値だね
Soundcloudがけっこう音が大きくてもオーケーみたいね
放送、ゲーム
サービス | ラウドネス値 | トゥルーピーク |
Netflix | -27LUFS | -2dBTP |
ARIB TR-B32(テレビ放送) | -24LKFS | -1dBTP |
ASWG-R001 HOME(ゲーム関連) | -24(±2)LKFS | -1dBTP |
テレビやゲームでは、音の大きさをけっこう小さめにしないとだめみたいね
YouTubeで音楽を聴く場合、大体音が圧縮されて聴こえてます
例えばYouTubeさんは、大きい音に対して自動でノーマライズをかけて音を
ラウドネス-13LUFSまで下げてくれます
ちなみにほかのストリーミングサービスでも自動でノーマライズされてるよ
これは、DA PUMPさんのU.S.A.という曲のPVです、なつかしいね
この動画の詳細統計情報をチェックします
(動画上で右クリックで、詳細統計情報をクリックで出ます)
赤線を見てください
ボリューム/ノーマライズド 100% / 35% (content loudness 9.2dB)
と書いています
これは、音量スライダー100%つまりマックスボリュームに対して
ファイル自体の音量35%の音量を鳴らしていますよ
ということです
ためしに動画を停止して音量スライダーを動かしてみましょう
そうすると、値が変化します
この動画の音声は 9.2dB分音がデカいので
9.2dB分音量をYouTubeさんが下げていますよということです
下画像の波形はCDからリッピングしたDA PUMPさんのU.S.A.です
すごい海苔波形ですね
(Audacityで読み込みました)
そう!CDからリッピングすると本来の音量で楽しめます!
(音でけぇ)
これにYouTubeでのラウドネス-13LUFSに設定すると
適用すると以下の様な波形になります
これがYouTubeで鳴ってる音量です
ガッツリ下がっていますね
では、音が小さい動画の場合はどうか
この動画はYouTube最古の動画
Me at the zoo
この動画の音声はマックスボリューム100%に対して
ファイル自体の音量は100%出ていますよとなります
そして、-9.7dB音が小さいですよと書いています
YouTubeさんは、小さい音は大きくしてくれません
この動画、音量マックスにしても音が小さいなぁとなります
だからアップロードするときに音量に気を付けてアップロードしようってことね
RPGツクールMVの音素材のラウドネスを調べてみた
今回やってみたかったことのひとつにゲームエンジンとかの音楽素材ってどんだけの
ラウドネスか気になって調べてみたんだよね
画像は、AudacityにYOULEAN LOUDNESS METER 2のフリー版を入れて調べてみたよ
32bit版のVSTじゃないと動作しないのね
なので、64bit版を入れても表示はされるけど適用しても
エフェクト一覧に現れないので注意
INTEGRATEDという項目がその音楽ファイルの全体の音量感
で、下記表は、RPGツクールMVでデフォルトで入っている音楽の素材のラウドネス値です
BGM | ラウドネス値 |
battle1 | -9.1LUFS |
battle2 | -7.7LUFS |
battle3 | -6.5LUFS |
Castle1 | -15.2LUFS |
Castle2 | -13.5LUFS |
Dungeon1 | -13.7LUFS |
Dungeon2 | -11.4LUFS |
Dungeon3 | -12.0LUFS |
Field1 | -9.4LUFS |
Field2 | -10.3LUFS |
Ship1 | -12.4LUFS |
Ship2 | -9.7LUFS |
Ship3 | -8.7LUFS |
Theme1 | -10.4LUFS |
Theme2 | -13.1LUFS |
Theme6 | -11.1LUFS |
Town1 | -14.7LUFS |
Town2 | -10.7LUFS |
一番大きい音量の音楽素材はBattle3の-6.5LUFSだったよ
総じてバトル曲は、ラウドネス値が高くて音が大きいね
一番小さい音量の音楽素材はCastle1の-15.2LUFSだったよ
そうはいってもテレビ放送の-24LUFSよりは大きいよ
というか、けっこうばらばらの音量感なのねということに
気づきました
何かの参考にどうぞ
最後に
どうでしたでしょうか?
なるべくわかりやすいように説明してみたけど
なかなか、むずかしいよ。ごめんな。
さっきに言ったようにラウドネスの値を参考にして動画やゲームの音楽を作ってみてね
あ、ちなみに言い忘れてたけど、YouTubeでは、非公開の動画の統計情報も見れるので
公開する前に音量の確認をすることもできるよ
「音、ちっさ!!」ってさきにわかるのでええなぁ
では、では
イワシロ音楽素材では、日々ピコピコな音楽素材を配信しているよ
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